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たまに人生を振り返る時がある。
いつの時に遡れば/自分は真っ当な人生をやり直すことができるのか。
思春期の頃/隣の席の女の子の体操着がなくなって真っ先に疑われたあの日。
飛田新地でママよりもおばあちゃんに近い年齢の女性で童貞を失ったあの日。
正直/平凡な家庭で生まれ育ったおかげで親ガチャはハズレでも当たりでもない。
しかし/なんとなくしか生きて来なかった両親から特別なこどもなど育つわけもなく/私はどこに出しても恥ずかしくない普通の人間としてすくすく育った。
学校では個性だの自由だの言うが基本的に大人の想像力からはみ出さない程度の範囲でしかそれは許されず/普通でいることを求められる。
しかし大人になって普通の会社に入ると/普通じゃない発想とか行動力とかを普通の人間であろう上司から求めあれる。
もうどうしていいかわからなくなって会社をバックレて引きこもった20代後半。
世の中は思ってた以上にでたらめで不完全である。
世界を変えようとするんじゃなくて/君が変われば世界が変わるんだと成功者の本に書いてあった。
それだと世の中に負けを認めたのと同じではないか。
いやだ/負けたくない。
若気の至りと言えばそうだが/ずっとその思いが消えなかった。